
7月20日は参議院選挙の投票日です。チキラボではこの選挙期間中、日本社会で暮らす人々の政治に関わる意識を明らかにするため、継続調査を実施しています。第1回目の調査は7月4~5日に実施。第2回目は7月11~14日に実施しました。実施方法の詳しい情報は、以下をご覧ください。

各政党ごとに、「選択的夫婦別姓」や「同性婚」など、ジェンダー政策に対する立場の違いが存在します。では、それぞれの政党支持者は、どのような「ジェンダー観」を持っているのでしょうか。
今回は、各政党支持者ごとの、「ジェンダー意識項目」をご報告します。いくつかの「意識項目」についての賛成度/反対を尋ね、その結果を支持政党ごとに分析しています。例えば次のような項目を尋ねました。
ジェンダー観に関する全体傾向

全体としては、「男は男らしく、女は女らしくあるべきだ」「男女平等はすでに達成されている」「性的マイノリティの権利は既に、十分に保障されている」「現代は男性の方が冷遇されている時代だ」という項目いずれに対しても、「まったくそう思わない」「どちらかといえばそう思わない」の割合が多くなっていました。
性別によるジェンダー観に違い
男女間で、差は見られるでしょうか。それぞれの項目で見てみると、いずれの質問でも、男性より女性の方が、「そう思わない」割合が高くなっています。つまり男性より女性の方が、性別役割分業に批判的で、男女平等および性的マイノリティ差別解消は未達成と思い、「男性冷遇」に同意しない様子になっていました。


このような全体傾向を踏まえ、次に各政党に投票する予定の人々の傾向を見ていきましょう。
「男らしさ・女らしさ」への共感

「男は男らしく、女は女らしく」という考えについて、自民党より公明党の支持者の方が「とてもそう思う」の割合が高くなっていました。国民民主党は、立憲、維新、共産、れいわ他の野党と比べて、「とてもそう思う」と答える支持者の割合の高さが目立ちました。
参政党と日本保守党の支持者は、「とてもそう思う」の割合が他党より高く、いずれも5割前後の人が、「そう思う」傾向がありました。
ジェンダー平等への認識に大きな隔たり


「男女平等はすでに達成されている」「性的マイノリティの権利は既に、十分に保障されている」の二つのグラフを見てみましょう。日本保守党、参政党、国民民主党は、「そう思う」と答える支持者の割合が、他党より高い傾向が見られます。
逆に立憲民主党、日本維新の会、日本共産党、れいわ新選組の支持者は、いずれも「そう思わない」と回答する傾向がありました。
ジェンダー平等はまだ達成されていないと捉える立憲などの政党支持者と、ジェンダー平等は既に十分達成されている、場合によってはこれ以上は「行き過ぎ」になるという認識の参政・保守などの支持者とでは、ジェンダー観に大きなギャップがあることが分かります。
“男性冷遇論”への共感に、傾向の差

「現代は男性の方が冷遇されている時代だ」という問いに対しても、政党間で傾向が分かれました。
立憲民主党や共産党では、「そう思わない」傾向が非常に強いのと比べると、参政党・日本保守党は「そう思う」傾向が高い。しかしこの設問に対しては、国民民主党支持者の方が、より強く賛同する傾向がありました。
本調査は、マンスリーサポーターのみなさまのご支援により、
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室井 俊正 (日曜日, 20 7月 2025 00:41)
各党支持者の男女比率に特徴は有るのでしょうか?
男女に層別すると党別の傾向は変わるのでしょうか?