2026.05.19

米・イスラエル・イラン戦争に関する意識変化ーー混迷状況の中、「評価できない」人が増加か?

米・イスラエル・イラン戦争に関する意識変化ーー混迷状況の中、「評価できない」人が増加か?

チキラボの基幹調査「社会抑うつ度調査」。この調査では、抑うつ、不安感、孤独感、人生満足度などを指標として、人々の精神的健康の状態とその推移を把握するために定期的な測定を実施。また、精神的健康に関連すると考えられる要因(性格特性や社会情勢など)を明らかにし、有効な対策や提言を行う目的で、さまざまな指標や属性項目を測定しています。

2026年4月実施 社会抑うつ度調査概要

2026年2月末に起こったアメリカ・イスラエルによるイランへの先制攻撃を受け、チキラボでは3月17日〜3月18日にアメリカ・イスラエル・イラン戦争に対する緊急意識調査を実施。それから約1ヶ月が経った時点で、人々の意識に変化はあったのでしょうか。2026年4月実施の社会抑うつ度調査で、同じ項目をたずねました。

アメリカ・イスラエルによる攻撃に対する批判的な意識は高い

4月末現在、アメリカ・イスラエル・イラン戦争に対する人々の評価は、どのような状況にあるのでしょうか。「とてもそう思う」と「ややそう思う」の合計が多い順に並び替えています。肯定割合が多いのは、アメリカ・イスラエルによる攻撃に対する批判的な意識です。

  • 「アメリカとイスラエルがイランの民間人を殺害したことは許せない」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:60.2%
  • 「アメリカとイスラエルがイランに対して行った攻撃は、国際法などに反する」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:57.1%

今回のイラン攻撃では、イランが報復措置としてアメリカ軍基地がある周辺国への攻撃も行われ、中東全体が巻き込まれる状況ともなっています。こうしたことを受け、日本に重ね合わせて不安に思う意識が上位にきています。

  • 「イランが周辺国の米軍基地を攻撃したように、日本の米軍基地やその周辺地域にも他国の攻撃を受ける一定のリスクがあると思う」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:57.7%

自衛隊の中東への派遣を容認する意識は低い

一方で日本の自衛隊の中東への派遣を容認する意識は低い状況が確認できます。

  • 「日本政府は、アメリカから中東への自衛隊派遣を要求された場合、拒否すべきだ」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:56.8%
  • 「日本政府は、自衛隊の戦艦を派遣して、ホルムズ海峡で民間船舶の護衛活動を行うべきだ」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:21.1%
  • 「日本政府は、自衛隊を派遣して、ホルムズ海峡で機雷の撤去活動に参加するべきだ」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:22.2%

また、日米同盟に対しても不信感が高い様子がうかがえます。

  • 「日本政府は、日米同盟をさらに強固にし、世界にアピールするべきだ」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:17.1%

米・イスラエル・イラン戦争に関する意識 各項目に対する回答

「わからない」の増加

肯定派の多さの順位は、3月調査とほぼ変わらない結果となっていますが、全体的に4月調査では「わからない」が増えていることが気になります。

戦争が続くほど、事態が複雑化し、その結果、戦争責任に対する初期の認識も曖昧になってしまうのかもしれません。また、ホルムズ海峡の封鎖が長引くことは、日本に住む私たちの生活にも直接的に影響することになります。

徐々に首が絞められるような状況のもとで、自衛隊の派遣に対する賛否が評価できず、「わからない」との回答割合が微増しています。派遣肯定派の意識はおおきく変化はないものの、否定派の割合が微減し、わからないの割合が増えています。

2026年3月調査 米・イスラエル・イラン戦争に関する意識 各項目への回答

混迷を深める現在。長期化するほど事態は複雑化します。自分自身の生活を送る一方で、その状況をつぶさに整理して追うことは難しくなっていきます。

開戦当初ははっきりしていたアメリカ・イスラエルの無法な攻撃に対する非難意識も、徐々にうやむやになってしまうのでしょうか。人々の状況認識についても、注視していく必要があります。