チキラボの基幹調査「社会抑うつ度調査」。この調査では、抑うつ、不安感、孤独感、人生満足度などを指標として、人々の精神的健康の状態とその推移を把握するために定期的な測定を実施。また、精神的健康に関連すると考えられる要因(性格特性や社会情勢など)を明らかにし、有効な対策や提言を行う目的で、さまざまな指標や属性項目を測定しています。

憲法9条は安全保障上の「足かせ」?それとも「抑止力」?
2026年4月調査では、憲法9条に対する人々の認識について調査しました。
先の衆院選挙で大勝をおさめた自民党。圧倒的多数の政権与党と高市内閣は憲法改正に大きく突き進もうとしています。特に焦点となるのは憲法9条です。自衛隊の位置付け、集団的自衛権の行使に関わる憲法改正が目指されています。一方で、国会前や全国各地では連日、憲法9条改正や憲法の改悪等に反対する大規模なデモがおこっています。
3月19日にアメリカ・ワシントンで行われた日米首脳会談では、日本がホルムズ海峡の民間船舶の護衛として、自衛隊を派遣する約束をアメリカと取り交わすような「最悪な事態」は避けられたと評価されています。そして高市総理の帰国後の国会での説明では、「日本の法律の範囲内でできることと、できないことがある」とアメリカ側に説明したとしています。
政府ははっきりと明言はしていませんが、憲法9条の存在により、「最悪な事態」を避けられたのではないか、ということにも注目が集まっており、国会では野党の質問も展開されました。
憲法9条が私たちの安全や安心、周辺国への安全や安心に役立っているとの認識、根強い
では人々は、現在、憲法9条の安全保障上の「機能」をどのように認識しているのでしょうか。「ややそう思う」「とてもそう思う」の合計割合が多い順に並べています。

結果をまとめると、憲法9条は日本人の安全・安心、周辺国の安全・安心に役立っているとの意見に関わる項目が上位です。
- 「憲法9条は日本が他国の戦争に巻き込まれたり、他国から武力攻撃を受けたりするのを防ぐ「抑止力」として機能している」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:47.1%
- 「先の日米会談で、日本が自衛隊の派遣に慎重な姿勢をアメリカに示せたのは、憲法9条のおかげだ」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:47.1%
- 「憲法9条はアジアの周辺諸国に対して「日本が再び軍事大国にはならない」という安心感を与え、外交的信頼の基礎となっている」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:44.8%
- 「憲法9条は紛争地域などで国際援助や人道支援に携わる日本人の安全確保に貢献している」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:40.9%
いずれの項目も、「どちらともいえない」が3割〜4割が存在し、否定派は1割〜1.5割程度である点も特徴です。
憲法9条が日本の安全保障条「足手まとい」と評価するような意見への肯定割合はいずれも、下位に位置しています。
- 「他国へ軍事支援ができないせいで国際社会から日本は低く評価されてきた」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:25.2%
- 「憲法9条があるせいで、日本の安全保障議論が成熟してこなかった」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:25.7%
- 「憲法9条があることで日本ができることに制限が生まれ、アメリカなどの同盟国・同志国と安全保障協力を深める上で足かせとなっている」…「とてもそう思う」+「ややそう思う」の合計:28.3%
集団的自衛権の行使を容認や、殺傷能力のある武器輸出の必要性として、政府は、これまでの日本は同盟国・協力国や国際社会への安全保障上の貢献を十分にできないことの「不甲斐なさ」を主張することがありました。しかしそうした認識は、国民レベルでは共有されていない状況がうかがわれます。むしろ、憲法9条が私たちの安全や安心、周辺国への安全や安心に役立っているとの認識の方が、強く根付いていることが本調査で示されています。