チキラボでは、今回の衆院選での有権者の意識を3回の継続調査で追っています。調査概要はこちらのページから、ご確認ください。
争点不在の選挙と、選挙後に独占されかねない「民意」
争点がはっきりしないまま、なだれ込んだ衆院選。争点が不明確なままでは、選挙後に「民意」の解釈を一部の政治勢力に独占されかねません。とりわけ、自民・維新が勝利した場合、高市政権が進めるとみられているのが、防衛政策の見直しや国旗損壊罪の制定です。先の臨時国会では台湾有事をめぐる失言も相次ぎ、集団的自衛権の行使に対する政権の姿勢が改めて注目されています。
また、中道改革連合の立ち上げをめぐっては、立憲側が集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法について「合憲」との踏み絵を踏まされました。原発政策においても、これまで掲げてきた「原発ゼロ」の主張は後退し、再稼働を容認する姿勢へと転じています。
さらに、維新が与党に加わったことで、医療費をめぐる政策も新たな論点として浮上しました。議員定数削減や大阪都構想が突如として重要課題に位置づけられるなど、選挙戦の構図は一層複雑さを増しています。
チキラボではこれまで、人権に関わる政策、マイノリティの選択が拡大するための政策に対する賛否を中心に、調査してきました。今回は、これまでの項目に加え、上記の動きをふまえ、防衛・軍事政策、原発政策、医療政策、経済政策に関連する下記の項目の賛否を質問しています。


賛成割合が高かった政策トップ5
賛成派の割合が多かった上位5つの政策は以下の通りです。
- 最低賃金を持続的に引き上げていくべきだ (賛成派71.6%)
- 議員定数を現状から1割程度、削減すべきだ(賛成派64.4%)
- 物価高対策のために消費税の減税(食料品のみといった部分的な減税も含む)を行うべきだ(賛成派61.7%)
- 結婚前の姓を名乗ることに法的根拠を与える通称使用の拡大を行うべきだ(賛成派46.5%)
- 給付付き税額控除の仕組みを導入すべきだ(賛成派45.5%)
設定した各政策に対する賛否を確認します。グラフは「賛成」の割合が多い政策順に上から並べ替えて掲載しています。

反対割合が高い政策トップ5
それぞれの政策賛否を眺めると、「どちらともいえない」があまり多くなく、賛成派が多くなっていたとしても反対派も多数存在する政策があることがわかります。反対派に注目すると、反対派が多くなっているのは以下の5項目となっています。

防衛費増額への増税には強い反対、「非核三原則の見直し」は賛否が拮抗する争点
高市政権が推し進めようとする防衛政策。所得税などを増税し、軍事費を調達する計画がすでに報じられているところです。しかし「増税してでも軍事・防衛予算を現状より拡大すべき」に賛成する人は2割ほどしかおらず、逆に反対は約4割にのぼっています。
同じ防衛・軍事政策の「非核三原則の見直し」も、反対派、賛成派がともに約3割で拮抗しており、今後、大きな争点になる可能性があります。
医療費負担の増加についても、反対派が多数の結果となっています。賛成派は2割〜3割ほどで、反対派が10〜20ポイント近く上回ります。
維新が重要課題とした大阪都構想については、反対派が30.8%で、対する賛成派は16.4%との結果となりました。大阪都構想の是非を問うとして、衆院選と合わせて大阪知事選・大阪市長選の実施を決めた維新。全国の有権者からは理解がほぼ得られていない状況です。
こうした政策賛否が、選挙期間を経てどのように変わっていくのか。注目を続けます。