参院選〜衆院選で外国人政策の賛否は動いたのか
前回の参院選では、公示とともに、外国人関連政策が争点に設定されていきました。今回の衆院選でも引き続き、論点の一つとなっています。
では、この外国人関連政策に関する賛否は、2025年7月の参院選後から衆院選が開始される間に、どの程度動いているのでしょうか。
参院選直後と衆院選序盤の状況を、下記の調査結果から確認します。
- 参院選直後の状況:「2025年参院選をめぐる有権者の意識調査」第3回調査の結果
- 衆院選序盤の状況:現在実施中の「衆院選をめぐる有権者の意識調査」第1回調査の結果
外国人政策として、質問したのは以下の項目です。

参院選直後:受け入れ促進には慎重、ヘイトスピーチ規制には賛成が多い
参院選直後、外国人の受け入れを促進する方向での政策賛否について、「ヘイトスピーチに対する規制」へは約5割の人が賛成していました。それ以外の政策は賛成は2割ほどの水準で、反対派が4割〜5割を占めています。

これに対し、外国人の日本での福祉制度利用や受け入れをを制限する方向での政策については、4割〜5割の人が賛成をしている状況です。

衆院選序盤:外国人政策への賛否に大きな変化は見られない
衆院選序盤では、若干の変動はあるものの、受け入れ促進方向の政策には反対派が4割〜5割、受け入れ制限方向の政策には賛成派が4〜5割という構成に大きな変化はありません。


2025年の参院選では、選挙期間中に、いくつかの外国人政策の支持度に変化も見られました。
2025年の参院選で争点化された「外国人問題」に対し、厳格化政策を打ち出してきた高市内閣。しかし、この政策要求の賛否は、この二時点の調査の間で変化はありません。
自分は脅かされていないが、日本が脅かされているという認識
外国人に対する有権者の意識に着目したうえで、外国人政策への賛否の動向について考えてみましょう。今回の衆院選調査で質問した「外国人に対する脅威認識」を測るための項目を使って分析をします。


これらの回答結果を見ると、「日本」という大きい主語で尋ねた場合、名誉や伝統、財産・雇用、福祉、安全のいずれについても、4割〜5割が、「頻繁に思うことがあった」または「少し思うことがあった」と回答しています。
それに対し、「自分」という主語の場合にはいずれも、「思うことがあった」と答えた人は10%に留まりました。最も割合が高かった項目「自分の安全が脅かされている」でも20%です。
このように自分自身に対し、直接的な脅威を感じると回答した人は少数派である一方、「日本」を主語にしたときには、脅威認識が大きくなる傾向が見てとれます。
厳格化政策の支持層ほど、「日本が脅かされている」と感じている
さらに、この認識を高市政権における「外国人政策」に対する評価度によって、どのように変化があるのか確認します。

高市政権の外国人政策を評価する人ほど、「自分が」そして何よりも「日本が」「脅かされている」と思う人の割合が高いことがわかります。
参院選から衆院選にかけて、外国人の受け入れを規制する方向での政策に対して、さらなる賛成の声が高まっているという変化は確認できませんでした。
さらに分析すると、高市政権の外国人政策を評価する人ほど、外国人から日本が、そして自分が脅かされている、と感じる割合が高くなっています。中でも、「日本」を主語とした場合の脅威認識の方が高い点は、非常に特徴的です。
参院選でも「日本」が脅かされているという発信が、さまざまな政党から行われました。その発信の根拠を問いながら、各政党の政策を見比べることが求められます。